間取りの知識
まず初めに間取りに関する基本的な情報を解説します。
部屋のタイプ
一般的に部屋のタイプは1R・1K・1DK・1LDKといったように、数字とアルファベットで記載されます。
数字は「居室の数」を示し、アルファベットは「広さ、形状、機能」を示しています。
それぞれの違いは以下のとおりです。
| 間取り | 意味 |
|---|---|
| 1R/1K | 居室にキッチンも含む間取り/居室とは別にキッチンがある間取り |
| 1DK（ダイニング・キッチン） | 居室とは別にダイニング・キッチンがある間取り DKの広さは4.5畳以上と定められている |
| 2DK | 居室が2部屋あり、それとは別にダイニング・キッチンがある間取り DKの広さは6畳以上と定められている |
| 1LDK（リビング・ダイニング・キッチン） | 居室とは別にリビング・ダイニング・キッチンがある間取り LDKの広さは8畳以上と定められている |
| 2LDK | 居室が2部屋あり、それとは別にリビング・ダイニング・キッチンがある間取り LDKの広さは10畳以上と定められている |
参考：特定用語の使用基準 | 公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会
また、これら以外にも間取り図上には色々なアルファベットがあります。ご自身が住みたい部屋のタイプや、求める設備があるかを把握するためにも、間取り図上に記載されているアルファベット等の意味も確認しておきましょう。
| 間取り図上の略称 | 意味 |
|---|---|
| CL | クローゼット |
| Wic | ウォークインクローゼット |
| WTC | ウォークスルークローゼット（出入り口が二つあり歩いて通り抜けられる収納） |
| Ent・Entrance | 玄関 |
| Porch | 玄関前の空間 |
| Sic | シューズインクローク（靴を履いたまま入れる収納スペース） |
| DOMA | 土間（土足スペース） |
| MB | メーターボックス（電気やガスなどのガスメーターを収納した場所） |
| PS | パイプスペース（配管スペース） |
| SK | スロップシンク（底が深い大型のシンク） |
| FIX | 開閉できないように固定された窓 |
| TR | トランクルーム |
| S | サービスルーム（納戸） |
| N | 納戸 |
| WS | ワークスペース |
| DEN | 書斎などの使用をイメージした部屋 |
| EV | エレベーター |
| UB | ユニットバス |
部屋の広さ
部屋のタイプが決まったら、実際にどのくらいの広さが必要なのかも確認しましょう。
部屋の広さは主に2つの単位で示されます。
単位概要平米（m2）部屋全体を表すときに用いられるメートル（m）を基準にして広さを表す単位部屋の縦幅と横幅の掛け算で求められる畳・帖部屋ごとの広さを表すときに用いられる畳の枚数を基準にして広さを表す単位1畳あたり1.62m2
| 単位 | 概要 |
|---|---|
| 平米（m2） | 部屋全体を表すときに用いられる
メートル（m）を基準にして広さを表す単位 部屋の縦幅と横幅の掛け算で求められる |
| 畳・帖 | 部屋ごとの広さを表すときに用いられる
畳の枚数を基準にして広さを表す単位 1畳あたり1.62m2 |
参考：不動産の公正競争規約
部屋が複数ある場合には、各部屋ごとの広さが異なります。
部屋全体の広さにくわえて、「どの部屋を何に使うのか」「そのための広さは十分なのか」といった点も確認しましょう。
部屋の向き（方位）
部屋の主要採光面がどの方角かも確認しましょう。
採光面とは、部屋が光を取り入れる面のことで、その方角によって、日当たりが変わります。
日当たりを重視する方は、採光面が南か東を向いている部屋を選びましょう。
間取り図では、「方位記号」と呼ばれる以下のような記号で方角を示しています。
間取り図を見るときには、採光面が方角に対してどこを向いているかを確認しましょう。
上記方位記号では、Nと記された位置が「北（North）」を表しており、それにより各方角がわかるようになっております。
例えば、南向きの部屋に住みたい方は、採光面がNと対極の方角を向いているかを確認しましょう。
ただし、単に方角だけで日当たりの良し悪しは決められません。
マンションの向かいに別の建物が立っていたり、近隣に高い建物が立っていたりすると、それらにより光が遮られるからです。
特に繁華街のマンションは建物同士の距離が近く、方角が南や東でも日当たりが悪いケースも十分に考えられます。
日当たりを重視する場合には、実際に内見をおこなって確認しましょう。また、時間帯によっても日当たりは大きく変わることもあるため、ご自分の生活スタイルに合った方角（方位）を見つけましょう。
間取りを考えるときのポイント
間取りを決める基準は人それぞれですが、どうやって決めればいいかわからない方も多いのではないでしょうか。
ご自身に適した間取りを考える際には、4つのポイントを確認しましょう。
| ポイント | 概要 |
|---|---|
| 家族構成 | 部屋の広さや数が家族の人数に合っているか？靴や洋服などの収納は十分か？ |
| 収納 | 収納の数や大きさが家族の人数に合っているか？靴や服などの収納は十分か？ |
| 動線 | 生活動線や家事動線が使いやすいものになっているか？ |
| 採光面の方角・数 | ご自身・ご家族の希望・生活スタイルと合っているか？ |
ご自身にとって適切な間取りを決めることは難しいものですが、このようなポイントを考慮して、間取りを考えてみましょう。
自分に合った間取りの選び方【ライフステージ別】
前述したとおり、ライフスタイルやライフプランによって適切な間取りは異なります。
この章ではライフステージ別におすすめの間取りを紹介します。
ご自身の現在のライフステージや、これからのライフプランを考慮したうえで適切な間取り選びができるよう、ぜひ参考にしてください。
一人暮らし
一人暮らしの方におすすめの間取りは1R・1K・1DK・1LDKです。
一人暮らしの場合は、部屋が多すぎたり広すぎたりしても、持て余してしまう可能性があります。
居室の数は最小限に抑え、その分居室や居間の広さを取ることで、充実した生活が期待できるでしょう。
結婚や出産の予定がある場合には、2LDKや3LDKの間取りも検討を加えておくとよいでしょう。
DINKs（子供がいない夫婦共働き）
DINKsにおすすめの間取りは1LDK・2DK・2LDKです。
限られた時間のなかで2人の時間を充実させたいDINKsであれば、部屋の数と広さは最小限にして、家事に割く時間もなるべく減らしたいものです。
一人ひとりの時間を大切にしたい場合には、2DKや2LDKなど、部屋が2つある間取りがいいでしょう。
2人それぞれが自室を持つことにこだわらないのであれば、広々とした1LDKを選ぶことで充実した生活を送れるでしょう。
小学生までの子どもがいる世帯
小学生までの子どもがいる世帯におすすめの間取りは、1LDK・2LDKです。
小さな子どもがいる場合には、在宅時であってもなるべく目の届く範囲で家事をおこないたいものです。
そのため、死角が少ない間取りを選ぶとよいでしょう。
子どもが2人以上いる場合、3LDK以上の間取りも検討する必要があります。しかし、目が届かなくなる可能性を考えると、2LDK以下の間取りを選ぶほうが適切かもしれません。子供の人数にもよりますが、目が行き届く範囲を考えて間取り選びを検討しましょう。
中学生以上の子どもがいる世帯
子どもが中学生以上の場合には、3LDK以上の間取りがおすすめです。
思春期の子供は一人の時間を大事にしたいと考え始めるため、子供部屋が必要なご家庭も出てくるでしょう。
また、子供が中学生にまで大きくなると、勉強や部活動などに必要な道具や、子供自身の私物が増えてきます。
部屋の数以外にも収納の場所や大きさも考慮して選ぶとよいでしょう。
子どもが独立した世帯
子どもが社会人になり、独り立ちした場合は、1LDK・2LDKの間取りがおすすめです。
子育てを終えたタイミングで引っ越しを検討する場合は、子供部屋の必要性がなくなるため、ご夫婦にとって快適な間取りを選ぶと良いでしょう。
荷物も多い傾向にあるため、一人暮らしやDINKsと同様かそれより広い間取りを選ばれても良いかもしれません。
部屋ごとのチェックポイント
次に、マンション選びを成功させるためのポイントを、部屋の空間ごとに紹介します。
このようなポイントを押さえて内見に行くことで、入居後に後悔することを予防できます。
内見を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
| 部屋の空間 | ポイント |
|---|---|
| 玄関 |
|
| キッチン |
|
| リビング・ダイニング |
|
| パウダールーム・バスルーム・トイレ |
|
| 寝室 |
|
| ベランダ・バルコニー |
|
日神不動産のマンションの間取り例
最後にこの記事を書いている日神不動産が実際に販売したマンションの間取りを例として紹介します。
マンションの間取り選びを悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
1LDKの間取り例
12畳の広々とした縦長リビング・ダイニング・キッチンが特徴的で、収納も充実しています。
4畳の洋室にはウォークインクローゼット、玄関にはシューズインクロークがあり、2人暮らしでも十分な収納数です。
2LDKの間取り例
全ての部屋に窓があるため、日当たりや風通しを重視する方にもご満足いただけるのではないでしょうか。
2つの洋室には、それぞれウォークインクローゼットがあるため、洋服だけでなく趣味の道具を置くのにも十分な収納力でしょう。
LDKには床暖房もあり、寒い冬でも家庭の時間を快適に過ごすことができます。
3LDKの間取り例
15畳超のLDKは4人家族でもゆったりと過ごせるでしょう。
3部屋ある洋室は全て窓があるため、日当たりや風通しも抜群です。
玄関の前には広々としたポーチがあり、他の部屋との差別化を図れるほか、防犯性が高まると言われています。
4LDKの間取り例
25畳以上のLDKにアイランドキッチンを設置。家族や友人とのホームパーティにも十分な広さです。
各洋室の十分な収納に加えて、廊下にも収納があるため、それぞれの私物と共有アイテムを分けて収納できるのも嬉しいポイントです。
まとめ
マンション選びにおいて間取りは非常に重要な要素ですが、いざ選び始めるとどのような間取りがいいか悩んでしまうものです。
今後のライフスタイルの変化も考慮したうえで、適切な間取りを判断する必要があります。
今回紹介したポイントや間取りの例を参考に、ご自身にあった間取りを考えてみてください。
ご興味があるマンションの内見はもちろん、間取り選びのご相談もお気軽にお申し付けください。